Antique Gun Hinawa-cyuzutsu [Asyu Ishikawa Kajirou Yoshimori]
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Stock number:GU-020511
Country・Era:Asyu/Awa(Tokushima)・Edo era 1837
種別: 火縄式銃砲
銘文:阿州石川嘉二郎義守 花押 天保八丁酉年四月中旬
Full length: 105.7cm Barrel length: 75.4cm A diameter: 1.8cm
Others: 東京都
【Additional Information】
この銃は阿波筒で全長が短い中筒(侍筒)と呼ばれる火縄銃です。銘は阿州石川嘉二郎義守 花押 天保八丁酉年四月中旬です。石川嘉二郎義守は、阿波鉄砲鍛冶の第一人者であり、その腕前は高く評価されています。四国、つまり、阿波、土佐、讃岐、伊予、中で阿波(阿州)が最大の鉄砲産地であった為、多数の阿波鉄砲鍛冶が知られていますが、石川一門、が筆頭で、笠井一門、近藤一門がこれに次いでいます。本工の嘉二郎義守は石川一門のなかではかなり位が高い名工です。阿波鉄砲と云うと、城備用の狭間筒が有名です。これらは大型で、長銃身、小口径という特徴を持つ、それなりの重量がある銃で、城の中から敵に向けて精密な狙撃が出来るようにと考案されたものです。これらの銃のほとんどは鉄味が悪く、鉄部が健全なものは希少となります。ここまでは一般的な阿波鉄砲の解説です。
さて、本作は珍しい阿波鉄砲の口径1.8センチ中筒です。分類上は中筒ですが、その外観は、他の地方の中筒より銃身の肉が厚く、銃床も太く大型となり、銃把にはナマコ金が付けられて握ると手に余る感じがするものです。うっかりすると大筒に見間違えてしまいます。また、銃の保存状態ですが、特筆すべき極めて良好な状態を呈しています。まず鉄部に悪い朽込みが見られません。素材の鉄が厳選した上質な鉄であること、また鍛が良いことが判ります。銃身は八角オクタゴンバレル。上部には家紋の真鍮象嵌が施されています。柑子は大きく角張って阿波鉄砲の特色を示しています。銃口から火皿まで貫通。尾栓は緩めていませんが、外すことは可能です。筒周りの肉がタップリでずっしり重量があります。
次いで、銃床、これもまた保存状態が抜群に良くて、1837年より伝わっているのが不思議に感じられるほどです。ちなみに木部は近年の再生作品では有りません。その証として、明治維新期、明治4年の廃藩置県にともなう戊辰番号が銃床下部に打刻されています。このように本作は、作柄が立派であり、まさに大筒と見間違えるほどの迫力ある一丁で、外観を一見するのみで伝来の良さが伺い知れる銃です。飾り台は非売品です。非常に珍しい阿波の大中筒です。作柄、保存ともに良好で大注目の逸品になります。
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