Katana [Mumei (Sa Hiroyuki)][N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Token
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Stock number:KA-020323
Paper(Certificate): [N.B.T.H.K]Tokubetsu Hozon Token
Country・Period:Chikuzen (Fukuoka)・Nanbokucho period about 1346~
Blade length(Cutting edge): 69.8cm
Curve(SORI): 1.4cm
Width at the hamachi(Moto-Haba): 3.21cm
Thickness at the Moto-Kasane: 0.65cm
Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 2.75cm
Thickness at the Saki-Kasane: 0.60cm
Habaki: Two parts, gold foil Habaki
Sword tang(Nakago): Kattesagari file pattern
Rivet Holes(Mekugiana): 4
Length of Koshirae: about 101.5cm
Shape(Taihai): Chu-kissaki,Shinogizukuri,Iorimune
Jigane(Hada): Itame with Mokume
Temper patterns(Hamon): Notare and Ko-gunome
Temper patterns in the point(Bohshi): Midarekomi then Hakikake round tip
Registration Card: Mie
【Additional Information】
筑前国左文字(大左、左安吉)は、南北朝時代初期に出現し筑前国に住した名工です。実阿の子として伝わり、相模国へ修行に出て日本刀の代名詞である有名工 正宗の弟子として正宗十哲の一人に数えられます。左文字は、それまでの古典的な九州物の特徴である沈み心の肌、直刃調の焼刃という作風から脱皮し、地刃共に明るく冴えて、地景や金筋等の目立つ新作風を確立しました。またその門葉には安吉・行弘・吉貞・国弘・弘行・弘安・貞吉など多くの高足が輩出し、それぞれの師風を受け継いで作刀し、皆優れた技術を示して南北朝期に大いに繁栄しました。横道に逸れますが、相模で修業中の左安吉は、優れた人格と刀工としての腕前から師である正宗ほか、門下たちに大変信頼厚く寄せられていた人物であったらしく、同国での修行期間を終え、筑前に帰郷する際、師匠 正宗から自身の片身として、己の左袖をちぎりとって渡されたといいます。この出来事に感銘を受けた同工は、その左袖を家宝として、「左」を姓として名乗り、作品にも「左」と刻するようになったという話です。是非とも信じたい一説です。本作弘行は、行弘の子または門下と伝え、在銘作品は太刀、短刀共に極めて少ないです。また南北朝時代の中期、左文字の子とされる貞吉・安吉、そのほか左文字の門下を総称して「末左」と呼ばれます。
本刀体配は、刃長が二尺三寸〇半。大磨上げながら身幅広く残り、元先幅差なく、重ね尋常、反り適度に利き、ふくらやや枯れ心の中切っ先となる堂々として力強い刀姿です。表裏には棒樋を掻き流します。地鉄は、板目肌が流れ心に杢目を交え、総体肌良く表れます。地沸良く付き、地景入り、映りが立つ同一門の作風が表れた興趣が感じられる鍛えとなります。刃文は沸出来で、湾れに小模様の乱れ刃を主として、尖り刃、小互の目を交えて変化に富み、匂口極めて明るく、よく冴えます。刃中の働きも盛んで、足・葉が入り、焼刃全体を通して砂流し・金筋が絡み長くかかります。帽子は小さく乱れて先掃きかけ、僅かに返ります。拵は菜種塗の鞘に時代物の金具が良く映える上々の作品が附いております。本作、南北朝期に活躍した左文字一派 弘行の優品で、同一派の掟に適う作風を地刃共に存分に示した同工秀逸の一口です。白鞘、金着二重はばき、黒漆菜種塗鞘打刀拵、特別保存刀剣鑑定書。
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