Tsuba [Umetada Chikubushima-zu Tsuba][N.B.T.H.K] Tokubetsu hozon Tousougu
¥ 400,000
Stock number:TU-130515
Paper(Certificate): [N.B.T.H.K] Tokubetsu hozon Tousougu
Country・Era:Edo era
Chikubushima-zu Tsuba
木瓜形 真鍮磨地 鋤下毛彫 金平象嵌 角耳
Length:7.3cm
Width:7.0cm
Thickness:0.44cm
Weight:133g
In paulownia wood box
[Additional Information]
埋忠家は、足利将軍家に使えた名家で桃山時代には刀や鍔の製作だけでなく、刀の磨上げや、刀に作者銘を象嵌したり、刀装の金具を製作するなど多方面にわたって活躍した。埋忠明寿は刀の作者としては平象嵌の技法を駆使することにより、鍔の装飾性を高め斬新な意匠を考察するなど、新機軸の開拓者として大いに手腕を発揮した。一門には埋忠重義、寿斉などの名工がいる。重義は彦次郎(寛永頃)と七左衛門(寛永-元禄頃)の二人が見られる。寿斉は明寿の孫として伝え、重長同人と旧来の文献に記している。埋忠系図による家系については、決定的な断定を下しえない部分もあり、重長が晩年に入道して寿斉と号したものかもしれない。とくに埋忠鎺と呼ばれて、金地二重鎺など肉置きや鑢の工作に優れた遺作が現存している。本作は木瓜形の真鍮地を磨地に仕立てて天上に新月を金象嵌とし、下には兎と波を鋤下毛彫にしている。耳は雷象嵌を金で施している。謡曲「竹生島」の一節に「月海上に浮かんでは、兎も波を走るか面白の島の景色や」から、このような構図が生まれたものであろう。従ってこの図は夜半に湖の岸から湖上を眺めたとき、波に映っている月が寄せては返す波に反射し、まるで兎が波の上を走っているように見たものであろう。江戸中期(元禄)を下らない埋忠の優鍔を御紹介する。